「香水のはなし」
堅田道久、西尾忠久共著/Tokyo AD・Bank企画・編集　昭和53年初版　東京アド・バンク刊　A5判　112頁　表紙カバー無、帯無。表紙に若干のスレ有り。本体扉と奥付け対面頁にシミ少々有り。本体天と小口にヨゴレ少々有り。本体中身は状態良好。内容：著者の堅田氏は香りのデザイナー、西尾氏は美大講師。香料の歴史から選び方、使い方まで、そして長い伝統ある名品と世界的なファッションデザイナーたちによって企画開発された新しい香りの紹介までを１冊にまとめた香水の文化誌。香料と香水、香水にまつわる話。においの分類と香水の分類、香りをデザインする、香りを楽しむ、グラースの花ごよみ、花から芳香をとるには、香水へのいざない、世界の香水銘柄一覧表、他。カラー写真掲載多数。モノクロ写真、イラスト掲載多数。

「芳香領へ　香気への扉」
塚本邦雄著　1983(昭和58)年初版　ポーラ文化研究所刊　A5判　281頁　外箱付、ただしヨゴレ、シミ少々と接合部ハガレ（補修済）２ヶ所有り。本体に発売時のセロファン（薄紙）カバー付。表紙見返しにEX-LIBRIS(蔵書票)「H.NAKAI」(中井英夫氏？)１点付。本体中身は使用感無く状態最良。内容：筆者の十数年来の主題であった「香気」について、その一端をここにまとめた芳香花事典や随筆や文化史、詩華集などかならなる１冊。芳香花列伝、香花詞華集、味蕾に獻ず、薫香と體臭の四部構成。

「香りの小匣(こばこ)　花と香りのエッセンス」
中村祥二監修　1991(平成３)年初版　求龍堂刊　B6判　302頁　表紙カバー付、帯付。状態最良、新品同。内容：監修/著者の中村祥二氏は資生堂にて香りの研究に長年関わった香りの専門家。1990年開催の大阪花博の場内新聞「読売ふらわーニュース」に毎日掲載された183日分の記事に加筆したもの。資生堂製品研究所の研究員が中心となり、日頃の研究成果や情報を結集して作成。香りを暮らしの中に取り入れて、より豊かな生活を楽しもうとする人たちのために、50余種の花々や植物の香りの話を満載。

「アドニスの園　ギリシアの香料神話」
マルセル・ドゥティエンヌ著/小苅米日見、鵜沢武保共訳　1983(昭和58)年初版　せりか書房刊　B6判　扉２＋口絵モノクロ写真６＋316＋索引６頁　表紙カバー付、帯無。カバー背には若干の色アセ有り。本体中身は状態良好、ただし巻末「原注」には、製本時の裁断ミスによる小角折レ１ヶ所有り。内容：訳者はギリシャ演劇研究者とフランス近代文学研究者。小苅米氏は本書の完成を待たずに惜しくも急逝した。"Les Jardin d'Adonis, La mythologie des aromates en Grece" by Marcel Detienne(1972年初版　ベルギー)の全訳版。アラビアの香料、香料の牡牛、没薬からレタスへ、メンテーの不幸、アドニスの種子、ピュタゴラスのレタス．巻末原注53頁、「人名・地名・事項」索引と「ギリシア語」索引付き。美少年、愛と誘惑の神アドニスの短い生涯を、植物の成長と死と再生を象徴する植物神と見られがちだが、著者はアドニスをむしろ不稔、不毛と見て、香料と愛の誘惑に結びつけ、より多層的な意味論的コードの絡み合いの中で考証と吟味を実践。現代の神話学に新たな展望を拓いた記念碑的著作。